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ウォール2

壁に向かって話す人間のブログ

七時間半 / 獅子文六

七時間半 (ちくま文庫)

 

 

 

 

 56年前の小説らしい。

 今だとよくある群像劇? ちょっとコメディな雰囲気も漂わせつつ、様々な登場人物の思いが錯綜して、物語の終わりに向かって一気に話が進んでいく、あの感じ。

 ただ書かれた時代が時代だけあって、モダンチックな雰囲気があり。学連とか、時代を感じるよね。まあ、当時は多分そんなことなかっただろうけど、今になってみればまた別の魅力になってる気がする。

 舞台は東京→大阪間の高速鉄道の車内。昔はその都市間の移動時間が七時間半ってことでそれがタイトルになってる。今は二時間半とかだっけ。

 で、この作品の凄いところは本当に七時間半でめちゃくちゃに登場人物の思惑が交差して、最終的に一つの結論にたどりつくところ。ややこしい関係をうまく動かしているところがうまい。話をややこしくしているのが、すべて女性ってところも個人的にはよかった。話がムサくるしくならなかったから。

 終わりはわりとあっけない、と思いつつも読後しばらくしてじわりときいてくる感じ。ミステリーというよりかは純文学的終わり。これは時代の影響かな。

 

 結構楽しかったです。昭和の本だけど文章に読みにくさは全然ないし、ところどころ面白い言い回しや表現があったりで、スッと読めました。