ウォール2

壁に向かって話す人間のブログ

海の見える街 / 畑野智美

海の見える街

セカンド童貞はずるいんだよな

 

 

 恋愛群像劇ってやつです。

 作者は恋愛小説の名手。学生を主人公に据えた作品が多い印象だけど、今回はこじらせた大人たちに焦点を当ててます。

 登場人物はどれも恋愛(人付き合い)をこじらせた大人たちで、何らかの闇もち。登場人物全員(1人は過去だけど)にペットに縁があるのも、こじらせた独り身感の演出に一役買っております。

 話は淡々と進んでゆく。4人の人物を順繰りに紹介しつつ、時間を進めていく。メインはおそらくセカンド童貞こと本田君。最近はやりの無気力主人公です。

 登場人物全員が、わりとネガティブというか、さっきも言った通り、闇を持ってるんで、終始曇りめに話が進んでいく。タイトルで「海の見える街」とは言いつつも、それを意識させる描写は実は前半ほとんどないところもそれを印象づけてる。

 ただ、要所要所で海の描写がある。これが素晴らしい。

 話のラスト何かはそれの最たる例か。今まで特に意識していなかった見慣れた景色が、心が動いた瞬間に素晴らしいものに思えてくるってゆう、文学的表現ですな。おそらく。

 

 正直なところ4人の関係性、「誰が誰を好きになって」という部分が、ちょっと説得力に欠ける部分があったなあという印象だけど、何だかんだラストシーンは感動したぜ。

 

 

余談ではあるけど、セカンド童貞ってずるいよな。経験ありつつも今度童貞捨てるときにまた新鮮さを味わえるわけだからさ~~~~~~~~~~~~~。パーフェクト童貞は死ぬしかない。

 

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